「はるになったら」
(こどものとも年中向き 2022年3月号)渡辺 郁子 作
すーーーっごく素敵な絵本でした…!!
最初の見開きの、月夜に飛ぶ白鳥の群れがとても綺麗で導入から引き込まれました。
部屋の中から窓越しに見ている景色なのだと、ページをめくっていくとわかります。
この絵本の中の、屋根の雪が解けてしたたる水滴にとても惹かれました。
朝日に照らされて黄色く輝いていたり、窓を覗き込む女の子の顔が全部の水滴に写っていたり……(それがとてもかわいい!!)
晴れてるのに降ってる雨(屋根からの水滴)という表現がとても素敵で、うわ〜〜好き…!!ってドキドキしました。
家から出ると猫の目が細くなる、ということで雪景色の眩しさを表現していたり…。
きっと猫を飼っているとそういう瞬間が愛しかったりするのだろうな、なんて感じました。
一面の雪に見える外の世界だけど、各所に春の訪れを感じながら公園までの道のりを進む女の子。
川でジッとしていた魚が踊りだし(「泳ぎだす」じゃなくて「踊りだす」というのがまた素敵)、鳥は歌いだし、大地はあくびをし…
そしてとりわけ素敵だと思ったのが、表紙にも描かれている桜の木!
写真だとわかりにくいかもしれないですが、うっすら、ほんのりと桜色に淡く光っているんです。
まだ芽もでてきていないけど、枝の中には春が詰まっている、そんな様子をこんなに綺麗な描写で表現できるなんてなんて素敵なんだろう…!!
読み聞かせながら、ついつい
「わ〜〜〜素敵だね〜〜、わ〜〜素敵だね〜〜」
と自分の感想を声に出しながら読んでしまいました。
キーンと冷え込むここ最近、ちょうどお散歩のときに川で動かない魚を見たり、すこーーーしだけ芽がついてる木を発見したり…そんな話を息子としたりしていたので、タイムリーでもあり…!
自然に直接触れることがいいことなのはもちろんですが、
触れたことのある自然を、人の視点を通した絵や言葉で描かれる絵本でまた触れ直すというのも、とっても豊かな刺激や経験になるのではないかな、と、しみじみ感じてしまいました。
月並みな感想ですけど、本当に気持ちが温かくなる絵本でした。
息子と、春になるのが楽しみだね、という話にも繋がりました😊😊
発売したばかりなのでまだ書店にもあるでしょうし、定期購読でも今月号から購入できるので、ぜひおすすめしたい……!
個人的にとてもお気に入りの一冊になりました!!
来月も楽しみです😊😊
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