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「まあちゃんの みかんのき」
 こどものとも年少版 2022年1月号
 西巻 茅子 作

自分が生まれたときに両親が植えて大切に育てたみかんの木に、ついに初めて5個、みかんがなりました。飼い犬にあげ、お父さんにあげ、お母さんにあげ、じぶんが食べ、そして残った1個は思わぬ相手に…残念なような、嬉しいような、そして来年への期待と、そんな穏やかで優しいお話です。


届いたタイミングが非常にタイムリーで、たまたまですが保育園でみかん狩りをしたすぐあとでした。
木にみかんがなる様子や、それをもぎとる様子、体験したばかりの出来事とかさなるお話に、みかん狩りをしたときの様子を思い出して話してくれたり、思わぬ副産物がありました

もいだみかんの甘さとか、自分がとったみかんが残り少なくなって、食べるのがもったいなくなったりとか…どれも心当たりのある、記憶に新しいことばかりで、感情移入しながらしみじみと読んでいました笑。

絵本は、知らないことの発見や未知なるものへの想像力をかきたてることを求めがちなんですけれど、自分が体験したことの追体験になったり記憶と照らし合わせたり…そんなふうに楽しめるのもまた醍醐味だな~と感じました。

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裏表紙は、近い将来たくさん実がなったみかんの木かなあ?と、想像して息子と話したりしました。
「でもこんな大きい木、お庭にあったら大変だよねえ~」と現実的なことを言い出す3歳…
これも、実際の木の大きさを目の当たりにしてきたからこその感想かしら?なんて思ったり笑


絵日記風の淡い水彩のタッチの優しいイラストも、とても温かくて素敵な絵本でした